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解約返戻率50%超の商品は保険料の一部資産計上が原則

節税保険の解約返戻率50%超の商品の保険料が資産計上されることがイメージできる画像

 

国税庁が節税保険に対応した法人税基本通達の改正案公表

国税庁は、2019年4月11日、いわゆる法人向けの節税保険等に対応した、法人税基本通達等の改正案の異見募集を開始しました。

 

長期平準定期保険等の取り扱いを定める現行の個別通達を廃止したうえで、保険料に多額の前払保険料が含まれる定期保険等の取り扱いを基本通達に組み込んでいます。

 

改正案では、ピーク時の解約返戻率が50%超の定期保険等に係る支払保険料の全額を損金算入することは認められず、一部資産計上することが原則となります。

 

定期保険等の保険料に相当額の前払部分の保険料が含まれる場合の取扱い

基本通達に組み込むことが示されたのが、新設の「定期保険等の保険料に相当額の前払部分の保険料が含まれる場合の取扱い」です。

 

長期平準定期保険等の取り扱いを定める現行の個別通達は、保険期間や被保険者の加入年齢に着目して支払保険料の一部を資産計上する仕組みである一方、新設の基本通達は、最高解約返戻率(ピーク時の解約返戻率)に着目して資産計上する仕組みとなっています。

 

具体的には、最高解約返戻率が50%超の定期保険等(保険期間3年未満のもの等を除く)の支払保険料について、最高解約返戻率に応じた一定の金額を資産計上し、残額を損金算入することになります。

 

この点、一部報道で話題となったいわゆる節税保険には、最高解約返戻率が85%超に設定されたものもあります。

 

たとえば、契約から10年目に最高解約返戻率が90%となる定期保険で、支払保険料が年300万円の場合、10年目までは毎期243万円(300万円×最高解約返戻率90%×90%)を資産計上し、残額の57万円を損金計上するイメージとなります。

 

この他、がん保険等のいわゆる第三分野保険に係る個別通達も廃止され、定期保険に係る既存通達(法基通9−3−5)や新設通達に組み込まれることになります。

 

改正通達の適用時期

また、注目されていた改正通達の適用時期については、「平成31年〇月〇日以後の契約に係る定期保険等の保険料について適用される」ことが示され、同日前の既存契約分への遡及適用はないことが明らかとなっています。

 

最高解約返戻率50%超の定期保険等の保険料の主な取り扱い(法基通9−3−5の2)
最高解約返戻率 資産計上期間 資産計上額
50%超70%以下 保険期間の前半4割相当の期間 当期支払保険料の40%
70%超85%以下 同上 当期支払保険料の60%
85%超 保険期間開始日から最高解約返戻率となる期間等の終了日 当期支払保険料×最高解約返戻率の70%(保険期間開始日から10年経過日までの期間は90%)

定期保険に係る保険料の税務上の取扱い 法人税基本通達の制定

定期保険に係る保険料の税務上の取扱いがイメージできる画像

 

国税庁から平成31年4月11日に発表された「法人税基本通達の制定について」をご紹介しますね。

 

定期保険に係る保険料の税務上の取扱い

法人税法上、当該事業年度の損金の額に算入される費用の額は、別段の定めがあるものを除き、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算されるものとされています(法 22B、C) 。

 

企業会計原則では、前払費用については、当期の損益計算から除去し、資産の部に計上しなければならないとされており(企業会計原則第二損益計算書原則一、原則第三貸借対照表原則四、財務諸表等規則 16、31 の2)、このような会計処理は一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に適合するものと認められますので、法人税法上、前払部分の保険料は資産計上するのが原則となります。

 

保険期間が複数年となる定期保険の支払保険料は、加齢に伴う支払保険料の上昇を抑える観点から平準化されているため、保険期間前半における支払保険料の中には、保険期間後半における保険料に充当される部分、すなわち前払部分の保険料が含まれています。

 

しかし、その平準化された定期保険の保険料は、いわゆる掛捨ての危険保険料及び付加保険料のみで構成されており、これらを期間の経過に応じて損金の額に算入したとしても、一般に、課税所得の適正な期間計算を大きく損なうこともないと考えられることから、法人税基本通達9−3−5において、その保険料の額は期間の経過に応じて損金の額に算入することと取り扱っています。

 

しかし、特に保険期間が長期にわたる定期保険や保険期間中に保険金額が逓増する定期保険は、その保険期間の前半において支払う保険料の中に相当多額の前払部分の保険料が含まれており、中途解約をした場合にはその前払部分の保険料の多くが返戻されるため、このような保険についても上記の法人税基本通達9−3−5の取扱いをそのまま適用すると課税所得の適正な期間計算を損なうこととなります。

 

したがって、このような保険については、上記の原則的な考え方に則った取扱いとすることが適当であるため、平成 20 年2月 28 日付課法2−3「法人が支払う長期平準定期保険等の保険料の取扱いについて」 (個別通達)により、その支払保険料の損金算入時期等に関する取扱いの適正化を図ってきました。

 


法人税基本通達の改正案等の概要

改正案等の概要がイメージできる画像

 

定期保険及び第三分野保険の保険料に関する原則的な取扱い

第三分野保険の保険料は危険保険料及び付加保険料のみで構成されています。

 

その保険料の構成は定期保険と同様と認められることから、従来の定期保険の取扱いに第三分野保険の取扱いを加え、これらの保険料に含まれる前払部分の保険料が相当多額と認められる場合を除いて、期間の経過に応じて損金の額に算入することとします(法人税基本通達9−3−5)。

 

定期保険等の保険料に相当多額の前払部分の保険料が含まれる場合の取扱い

法人が、自己を契約者とし、役員又は使用人(これらの者の親族を含みます。)を被保険者とする保険期間が3年以上の定期保険又は第三分野保険で最高解約返戻率が 50%を超えるものに加入して、その保険料を支払った場合には、課税所得の期間計算を適正なものとするため、その支払った保険料の額については、最高解約返戻率に応じ、それぞれ次の1から3までにより取り扱うこととします(法人税基本通達9−3−5の2)。

 

最高解約返戻率が50%超70%以下となる場合

保険期間の開始から保険期間の 100 分の 40 に相当する期間(資産計上期間)においては、支払った保険料の額のうち、その金額に 100 分の 40 を乗じた金額は資産に計上し、残額は損金の額に算入します。

 

また、資産計上期間経過後は、支払った保険料を保険期間の経過に応じて損金の額に算入するとともに、資産に計上した金額については、保険期間の 100 分の 75 に相当する期間経過後から保険期間終了までにおいて均等に取り崩し、保険期間の経過に応じて損金の額に算入します。

 

最高解約返戻率が70%超85%以下となる場合

保険期間の開始から保険期間の 100 分の 40 に相当する期間(資産計上期間)においては、支払った保険料の額のうち、その金額に 100 分の 60 を乗じた金額は資産に計上し、残額は損金の額に算入します。

 

また、資産計上期間経過後は、支払った保険料を保険期間の経過に応じて損金の額に算入するとともに、資産に計上した金額については、保険期間の100 分の 75 に相当する期間経過後から保険期間終了までにおいて均等に取り崩し、保険期間の経過に応じて損金の額に算入します。

 

最高解約返戻率が85%超となる場合

保険期間の開始から、最高解約返戻率となる期間(当該期間経過後の各期間において、

 

その期間における解約返戻金相当額からその直前の期間における解約返戻金相当額を控除した金額を年換算保険料相当額で除した割合が 100 分の 70 を超える期間がある場合には、その超えることとなる最も遅い期間)の終了まで(資産計上期間(※))においては、

 

支払った保険料の額のうち、その金額に最高解約返戻率の 100 分の 70(保険期間開始から 10 年を経過するまでは、100 分の90)を乗じた金額は資産に計上し、残額は損金の額に算入します。

 

また、資産計上期間経過後は、支払った保険料を保険期間の経過に応じて損金の額に算入するとともに、資産に計上した額については、解約返戻金相当額が最も高い金額となる期間経過後から保険期間終了までにおいて均等に取り崩し、保険期間の経過に応じて損金の額に算入します。

 

最高解約返戻率に基づいて資産計上する理由等

支払保険料に含まれる前払部分の保険料の額は、保険契約者には通知されず、把握できないことから、その金額を資産計上することは極めて困難となります。

 

そこで、保険契約者が把握可能な指標で、前払部分の保険料の累積額に近似する解約返戻金に着目し、解約返戻率(保険契約時において契約者に示された解約返戻金相当額について、それを受けることとなるまでの間に支払うこととなる保険料の額の合計額で除した割合をいいます。)に基づいて資産計上すべき金額を算定することが、客観的かつ合理的と考えられます。

 

また、毎年の解約返戻率の変動に伴い資産計上割合を変動させることは煩雑であり、その平均値などを求めることも困難であることから、特定可能な最高解約返戻率を用いて資産計上割合を設定するのが計算の簡便性の観点から相当です。

 

なお、解約返戻金相当額には前払部分の保険料の累計額のほかに運用益が含まれるため、運用益相当額については資産計上額に含まれないよう保険商品の実態を反映した資産計上割合を設定することとします。

 

最高解約返戻率の区分に応じた資産計上のルール

一方で、現行の取扱いは支払保険料の額に一定割合を乗じた金額を一律の期間資産計上するという納税者の事務負担に配慮した簡便的な資産計上ルールとしていることから、取扱いの見直しに当たっては、各保険商品の実態を踏まえつつ、現行の取扱いと整合性のとれた資産計上ルールとすべきと考えられます。

 

そこで、新たな資産計上ルールでは、最高解約返戻率が 85%以下の商品については、各商品の実態に応じて、支払保険料の額に一定割合を乗じた金額を一律の期間資産計上するという現行の取扱いと同様の簡便なルールとします。

 

これとは別に、前払部分の保険料が極めて多額となると認められる最高解約返戻率が 85%超の商品については、資産計上額の累積額が前払部分の保険料の累積額に近似するよう、最高解約返戻率に応じてより高い割合で資産計上することとします。

 

なお、一般に、資産計上期間経過後においても解約返戻金がおおむね最高額となるまでは、支払保険料に含まれる前払部分の保険料は逓減するもののその累積額は増加していくことから、いずれの区分においても一定期間は資産計上額を据え置くこととし、一定期間経過後に均等に取り崩して損金の額に算入することで、保険期間の後半に充当される前払部分の保険料と資産計上額のうち損金の額に算入される金額とが対応するような取扱いとします。


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